【ディスカスの飼い方】はアクアリウム経験者にはお勧めの恋愛小説だった
図書館へネタ探しに出向いて唯一の収穫がこの「ディスカスの飼い方」
注意すべきはディスカスの飼い方について書かれたハウトゥー本ではなく恋愛小説である点です。
本来恋愛小説なんて絶対に読まないのだけれどAmazonでちょくちょく見かけていたしレビューに「ディスカスを飼育したことがある人にはお勧め」というのがあったのでせっかくなので読んでみようと借りてきた次第です。
今回はこの「ディスカスの飼い方」についての感想を述べたいと思います。
まず結論から言うと面白かったです。
恋愛小説は初めてだし小説事態あまり読んでいない私にも読みやすく没入しやすい文章構成だったと思います。
逆に言えば小説を読みなれていてる人には少し物足りない本かもしれないです^^;
熱帯魚の王様・ディスカスの飼育に没頭することで、世界と繋がろうとした涼一。恋人は皆、彼の元を去って行った。だがある日、深夜に不思議な電話がかかってきた。その相手は、6年前に別れた、二度と会えない最愛の恋人・由真だった…。かつて幸せにできなかった恋人を追憶しながら愛の回答を導き出す、恋愛小説の名手が紡ぐ至高の物語。
Amazonのレビューに「ディスカスを飼ったことがある人なら面白い」とあったようにディスカスの飼育経験者、またはアクアリウムをやったことがある人は楽しめる作品だと思います。
この作品は「ディスカス飼育に夢中な主人公」と「それが不満な恋人」という構図があります。
なので喧嘩などはもっぱらディスカス絡みで起こります。これが実にあるある(笑)
例えばディスカスのエサであるアカムシ。これはまぁ赤い芋虫なわけなので目にして気持ちのいいものではないと思います。そんなものがアイスの隣に一緒に冷凍されていたりするわけですね。しかも大量に。
その他にも水槽で魚を飼っていれば思わず「あるある!」と叫びたくなるネタ。そしてそれをまったく理解してくれない恋人。
これも思わず「そうなんだよ!」と叫んでしまいたくなります(笑)
フィクションでこれほどまでに感情移入できてしまう作品も珍しいと思います!
逆に言えば今まで魚なんて一回も飼ったことないという人には少々不親切な文章になっています。
小説ではなく本当に『ディスカスの飼い方』だったのでガッカリした。
~Amazonレビューより
こんな意見があるようにアクアリム経験者には大盛り上がりなエピソードも未経験者にはなんのこっちゃさっぱりわからないだろうなと思われるようなエピソードが盛りだくさんです。
それも主人公の思考として描かれているので特に説明もなし。わからない人には辞書を引いたり調べながらじゃないとついていけない文章となっております。
そしてそして!
私がどうしても言っておきたいのは
ディスカス飼育はこんなに難しくねぇ!
ってことです。
金魚のほうが難しいです。
もしディスカスを飼ってみたいなぁと思っている人がこの本を読んだとしたら…
絶対自分でやってみようと思わないでしょう。
それくらいディスカス飼育は難しく錬金術か何かのような描かれ方をしています。
この作品の時代設定は1990年~2000年あたりのお話なので当時はこれほど大変だったのかもしれません。
しかし今はインターネットもありますし、水槽内での飼育法が確立された改良品種が多く存在するのでワイルド種にさえ手を出さなければこの本に書かれている1/10程度の苦労で飼育することが出来ます。
もしディスカスに興味があってこの本を読んだ方、読もうと思っている方!
飼育の難易度だけは信用しないでください!