長年利用していたペットショップの質が低下してしまった話
「お客さんも長いので一応…」
ディスカスのエサである冷凍アカムシを購入し、商品を新聞紙で包みながらそう口にした馴染みの店員さん。
店員さん「今日いっぱいでここ辞めることになにました」
私「え!?」
店員さん「今までありがとうございました。」
衝撃でした。
長年利用していたと言っても最近は来店頻度は1ヶ月、2ヶ月に一度か二度程度。
まさかたまたま行った日に20年もお世話になった店員さんの退社日にぶち当たるとは……
思い返せば出会いは小学5年生の頃。始めて父と金魚を買いに行ったときに接客してくれた店員さんでした。
当時はインターネットなどは庶民の扱えるものではなかったのですし、本も小学生の私にとっては大変高価でしたので飼育ノウハウは店員さん頼りです。
”金魚の元気がない。どうしたらよいか”
”大きな金魚がエサを独り占めしてしまう。どうしたらよいか”
”金魚がひっくり返っちゃった!”
などなど。わからないことがあるたびに店員さんに聞いていました。
ちなみにディスカスという未知の魚を始めて飼う時もいろいろアドバイスしてくれたのもこの店員さんです。私のディスカス飼育のノウハウの半分くらいはこの店員さんの受け売りですかねぇ…
と、これが半年くらい前の話。
最近、水槽を増設するか今の水槽に新しいディスカスを迎え入れようかいろいろ考えていて今お店にはどんなディスカスがいるかなぁと久々にこのお店に足を運びました。
いやぁ…いろいろびっくりしました。
まず向かうのがディスカスの販売エリアなんですが明らかに元気がない。
目に生気がないというか…
元気なディスカスはこんな感じです。
目に生気があって背びれと尻びれをこう、びし!と広げて発色も良い感じ。
まさにディスクのように見事な円形になります。
一方、元気ないときのディスカスはこんな感じです。
目には生気がなく、体も目も全体的に黒っぽくなります。
ぴしっ!と広げていた背びれと尻びれは綺麗に折りたたまれ、縮こまっているように見えます。
ディスクというよりはデスク。四角い形になります。
ちなみにこれ、撮影日時が違う同じ個体のディスカスです
体調によってこんなにも変わっちゃいます。
ディスカスは縄張りを主張する魚ですのでボスほど発色が良く、下になるほど地味な色合いになるのはある程度仕方のないことなのですがそのペットショップのディスカスは水槽にいるディスカスがみんなこんな感じ。
ボスと思われるディスカスもヒレは広げているのですが目も体も黒っぽく、ヒレもボロボロ。
そして水槽全体を注意深く見渡していくと水槽のあちこちに黒カビと思わしき綿がちらほら。
さらには簡易フィルターとガラス面の隙間にまりもみたいな黒い綿の物体が……
何だこれ、と思い、顔を近づけて見てみると黒カビに覆われたディスカスの死体でした……
こんな状態になっても魚が死んでいることに気付かないなんて……
馴染みの店員さんが辞めてしまったことで魚の品質は驚くほど低下してしまいました。
しかしお店自体の品質が落ちたわけではないようです。
犬や猫の販売エリアが拡大されていました。
これからはそっちに力を入れていくということなのでしょう。商売って大変ですね……
いずれにせよ私がこのお店を利用することは二度とないでしょう。
少し悲しい気持ちになったお話でした。